金融知識

FXにおけるファンダメンタルズ分析の重要性

こんにちは、FXトレーダーの黒鳥です。

いきなりですが、

「なかなかユーロが落ちてこない」

そんな風に思っている人、多いのではないでしょうか?

「月足のトレンドラインをいとも簡単に突き抜けた」
「週足のフィボナッチが機能していない」
「日足の水平線で止まらない」

最近そんな声を多く目にします。

なぜテクニカル分析をここまで無視して上昇し続けているのか。

それは相場の動きを左右する要素としてファンダメンタルズ分析が非常に大切な役割をになっていることにほかならないからです。

「テクニカル分析だけで十分勝てる」という方や商材も多く存在しますが、急転直下の相場の波にのまれる可能性が常にあることを考慮すると、ファンダメンタルを無視することがいかに危険であるかが分かります。

今回は、
「過去の統計学から導き出すテクニカル分析」
「普遍的な未来予想から導き出すファンダメンタルズ分析」

について、いかにファンダメンタルズ分析が重要で重きをおくべきなのか解説します。

とかく私もファンダメンタルズ分析を推奨している一人ですので、トレードする上で留意していることを皆さんに伝わりやすい様に書いていければと思います。

今回も、私個人の見解ですのであしからず。

ファンダメンタル分析は必要不可欠である

先述した様に、私は9割ファンダメンタルズ分析でトレードしています。
何故ならテクニカル分析は予想を裏切る事が多く、機能しないからです。

先に皆さんにとって非常に残酷なをお伝えしておきますね。

「チャートはファンダメンタルズ要因でしか変動しません」

前提として上記の認識であるがゆえに、テクニカル分析だけに頼るのは危険だと考えています。

その理由は相場を動かすのはいわゆる実需や政策、金利といったファンダメンタルズ要因であるからです。

勘違いしないでいただきたいことは、決してテクニカル分析が全く駄目と全面否定をしているわけではありません。

テクニカル分析オンリーで相場の流れを読み解こうとすると大怪我をするとお伝えしておきたいのです。

これはもちろん私の経験に則ってお伝えすることが可能ですし、皆さん誰しもがすでに経験されてきた事だと思いますので大きな事故に遭う前にぜひ参考にしてみてください。

ここで改めて相場に影響を与えるファンダメンタルズの中身をみておきましょう。

1) 実需による変動
2) 政策による変動
3) 国による変動

根本的な市場の値動きは、上記3つによって変動します。

次のパートでそれぞれ詳しくご説明していきますね。

誤解を招くといけないので先に言っておきますが、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析は二者択一ではありません。

どちらにもメリット、デメリットがあり、両者をしっかり理解した上でトレードをしていく事を推奨します。

ファンダメンタルズ分析が重要な理由

そもそもテクニカル分析とファンダメンタルズ分析との違いは何なのか。

これについて少し解説します。

まず、テクニカル分析というのは過去のチャートの経験則から値動きを予測する方法です。

一口に分析と言っても実に様々な手法が存在します。

「移動平均線」「一目均衡表」や「RSI」「オシレーター」「フィボナッチ」などこの世には多くの分析、解析ツールが出回っていますね。

その種類や使い方は人によって千差万別で、どんな使い方も決して万能でなく一長一短があります。

テクニカル分析を言い換えてしまうと、占いの四柱推命の様な物だと考えています。
両者は統計学と言われていて「一般的には信じられている」という物に過ぎません。

「フィボナッチリトレースメントの618は超えたが、移動平均線の100日線で止まった」
「トレンドラインを突き抜けてラウンドナンバーの水平線も突破した」
など、どれかが外れ、それかが当たるという事になる。

これは言うなれば後付け。
自分を納得させるための説明でしかありません。

論理的に考えると非常に違和感を感じます。
なぜならば、時代や背景が違えば、統計が取れるわけないのにそれを基に未来を予想するなんて甚だ間違っていると思います。

以上のことからテクニカル分析は「投資家心理の統計学」に過ぎないということが分かります。

「テクニカル分析は過去からの推測で後天的にトレーダーが予測するもの」
「ファンダメンタルズ分析は先天的にトレーダーが予測するもの」

だと私は考えています。

もちろん基礎知識として持っていなければ値動きの目安が立てられないので重要である事に違いはありません。

特に短期的に見た場合、目安としては効いて来る事も多々あります。

しかし、機関投資家はほぼファンダメンタルズ分析を駆使して中長期的にトレードしています。

なぜなら、為替市場の大きな方向性を決めるのはやはりファンダメンタルズだからです。

アベノミクスが始まると同時に円安が始まったのもまさにその例の一つです。

それまでずっと円高が続いていましたが「安倍政権に切り替わったら円安誘導の政策を打つのでは?」という期待が高まり円が売られました。

当時のドル円の水準は85円でしたが、翌年4月に日銀総裁に就任した黒田氏は大胆な金融緩和に踏み切り、ドル円は大きく上昇。

安倍内閣発足から約1年10か月で約25円も円安が進みました。

そして2014年10月31日に110円を前にドル円が一服しそうだと判断した黒田総裁は「量的質的緩和」拡大を宣言し、俗に言われている黒田バズーカ第2弾を実行しました。

息を吹き返したドル円は、2015年6月までに125.86円まで上昇。

米利上げと日銀追加緩和期待に支えられ、年末まで120円台を維持しました。

このように根本的にチャートは実需、政策、国が動かしているという事実があります。

これを加味せずにテクニカルで乗り切ろうとすると損切りの嵐なのは言うまでもありません。

もちろんトレンドが出ているのでうまく利益を出せはしますが、

「水平線の上値で止まらない」
「トレンド上限から落ちてこない」

など、テクニカルだけでは全く機能せずに市場にお金を市場に溶かす事になりかねません。

ましてや、FX業者選びを間違えてしまっている場合、急伸する相場に対応出来ずにロスカットスリッページで焼かれてしまうのは当然の事だと思います。

相場を動かしているのは実需、政策、国、という事を理解し、テクニカルサインを信用しすぎずにトレードすることが安全な資産の運用に繋がると考えています。

テクニカル分析が無意味だった過去のクラッシュ事例

先ほど、安全な資産運用という言葉を使いましたが、世界で唯一の「永世中立国」で日本円や金の様に安全資産と言われているスイスフランで過去に起きたクラッシュの事例を見てみましょう。

2008年のリーマンショック時には長い下髭をつけるほど異様なスイスフラン高になっている様に、EUR/CHFは他の通貨には見ない独特なチャートを形成します。

自国通貨が高すぎる場合、政府としては通貨安へ導きたいが為にスイスフラン独自の金融政策を行ってきたわけです。

スイスが貿易黒字国で輸出大国、GDPの大半を輸出企業が生み出していたため、スイスフラン高による国内経済の悪化を回避したいとの思惑があり、2011年8月には当時の過去最高値を更新(1ユーロ=1.0067フラン)したことで、SNBは2011年9月6日に1ユーロ=1.2000フランを上限とした無制限の為替介入に踏み切りました。

スイスショックとは、ユーロが大規模な金融緩和策を行うとの発表に、スイス国立銀行(SNB)理事会が約3年に渡って維持してきた無制限の為替介入の継続はデメリットであると危機感を感じ、2015年1月に突如として廃止を発表したことにより、1.20フラン近辺で推移していたユーロが0.85フランまで約0.35フラン(約30%)暴落したことをいいます。

この時、スイスフランは数十分の間に2000pips以上も暴騰しました。

スイスでは、中央銀行が得た収益を各地方の連邦政府に分配する義務があるので介入による損失がふくらむことに不満の声が上がり、議会からの圧力もあったのかもしれません。

使うブローカーによっても変わって来るとは思いますが、当時私が私が見ていたこの時はチャート上で値をつけていませんでした。

ドル円で言うと、100円や105円前後で推移していたものが数十分の間で160円、170円をつけてしまう様な事で普通の通貨ペアでは考えられない出来事です。

これにより、複数のFX会社が倒産に追い込まれ、追証というおまけ付きで多くの退場者が出る事態が起きたので、世間では「スイスショック」と呼ばれています。

これはテクニカルは一切関係なく、テクニカル分析は全く意味を成しません。
相場を動かしている要因がファンダメンタルズだからです。

私が冒頭に説明した国や政策による変動というのはまさにこれを差しています。

現在、無制限の為替介入というのは撤廃されて、また一時的に1.20付近に値をつけていましたが、今回のコロナの一件もあり現在はスイスフラン高、ダウントレンドになっています。

しかし今後予想される展開としては、スイス政府としては「自国通貨高を止めたい」というのは間違い無いので、また大規模な介入を行う可能性があると考えています。

これはチャンスと捉える事も出来、「スイス政府」「SNB」の動向に注視して方向感やタイミングをしっかり読み取れば大きな利益に繋げる事が出来ます。

まとめ

今回は端的にまとめようと思ったのですが、少し熱が入ってしまいました。

冒頭にもお伝えしましたが、チャートはファンダメンタルズ要因でしか変動しないので、テクニカル分析のみを駆使してトレードすることは危険だということが少しはご理解いただけたかと思います。

相場を動かすのは実需や政策、金利などのファンダメンタルズ要因であることを理解し、テクニカル分析は参考にするぐらいが適切でしょう。

中長期的に相場を判断可能なファンダメンタルズ分析を駆使して資産を安全に増やしていきましょう。

最後に、急な相場へ対応が遅れテクニカル分析が効かずに慌てて損切りをする場合など、業者選びを間違えてしまうと元も子もありません。

スリッページや出金拒否等をされない為にも業者は必ずA-bookを選びましょう。

私は昔からお付き合いがあり信頼出来る「GSTrading」を使用しています。
今まで出勤拒否やスリッページなどもなく安全に運用出来ています。

FXはチャートに振り回されず資産を安全に増やすための投資です。

正しい業者を選び、テクニカル分析だけのギャンブル性の高いトレードは辞めてファンダメンタルズ分析をしっかり味方につけてトレードすることをお勧めします。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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